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2014年度CP概論 最終授業を行いました

2014年度CP概論 最終授業を行いました(2014年8月29日)

地域活性化のプロジェクトを、学生が自ら考える

2014年8月29日、今年度のコミュニティ・プランナー(以下CP)概論の最終講義が、
協定先である神河町で開催されました。
最終講義は、学生が自ら、神河町の地域活性化プロジェクト案を考えるワークショップ。
独創性に富んだ様々な地域活性化プロジェクトが提案され、学生の成長が強く感じられた一日でした。

イントロ:CP概論とはなんだったのか?

CP概論の意義を振り返る

CP概論の意義を振り返る

はじめに、経営学部の西井進剛教授からのイントロダクション。
CP育成プログラム全体の意義とCP概論の位置づけが、改めて確認されました。

CP育成プログラムとは、「グリーン(緑ある環境をベースに、全ての生命がつながり、関わり合うこと)の視点」から、
地域の課題解決や持続可能なコミュニティの実現に寄与する人材、すなわち「コミュニティ・プランナー」の育成を目指す、一連の教育過程です。

CP概論はその初年度科目として、地域に関する基本的知識を習得し、基本的技術と素養を養い、そして地域問題に対する関心を育てることを到達目標としています。
2年次からは、CP実践論(地域問題に関する知識・理解を深め、地域再生へ展開する視点を獲得する)、
CP演習(ステークホルダーと共同で地域課題解決を実践する)へと、
コミュニティ・プランナーになるためのステップが用意されています。

こうしたことを改めて学生に思い出させることで、CP概論でこれまで学んできたことが一体なんだったのか、本日の活性化プロジェクト案を考えるワークショップが一体どういった意義を持つのかを、学生にはっきりと自覚してもらいました。

ワークショップでプロジェクト案を作成

今回の最終講義に先立ち、それぞれの学生には、4つのテーマから1つを選んでもらい、そのテーマに基づく「理想の地域活性化プロジェクト」案を作成してきてもらいました。
その4つとは、

  1. あなたが考える理想のコミュニティ・カフェ
  2. まちのにぎわい再生
  3. 都市-農村交流の新しいカタチ
  4. 自然を守り・活かす

という、神河町の地域課題に即したものです。

第1ラウンド(45分間)は、テーマを共有するチームごとのダイアログ。
チームに分かれ、メンバーの考えてきたプロジェクト案を共有し、チーム全体としてどんなプロジェクト案を作成するか、大まかな方向性を話し合う時間としました。
次に第2ラウンド(30分間)では、ビジネス、デザイン、ケアの各視点から、講義で学んできた内容を振り返りつつ、プロジェクト案の内容を吟味しました。
第3ラウンド(15分間)は、テーブルホスト以外のメンバーが、他チームのプロジェクト案のアイディアを見学しに行く時間・・・(を予定していましたが、実際には第1ラウンド・第2ラウンドの時間が押してしまい、第3ラウンドの時間はほとんどありませんでした)。
第4ラウンド(30分間)では、第3ラウンドまでの話し合いを総合して、チームとしてのプロジェクト案をまとめました。

そして、各チームが作成したプロジェクト案をプレゼンテーションし、
学生と教職員の投票で、最も良かったプロジェクト案の上位2位を決定しました。

チームごとのダイアログの様子
チームごとのダイアログの様子

わいわい話し合っています
わいわい話し合っています。

2位 留学生向けの「山村留学」体験プログラム

2位に選ばれたチームのプロジェクト案は、「日本への留学生にスポットを当てた『山村留学』体験プログラム」。
日本の大学に留学している外国人を対象に、長期休暇を利用して神河超の歴史や伝統、文化や食を体験してもらうことで、神河町と日本の文化に親しんでもらおうというものです。

「神河町では、海外へのPRはまだあまり考えていないとのことだが、今後ますます加速するであろう日本の人口減少を考えると、海外からの観光あるいは移住促進のためのPRを早い段階で行っておく必要がある」として、
外国人留学生を呼び込んで、廃校舎や空き家を活用した宿泊施設に泊まってもらい、日本の原風景や伝統文化等を体験してもらおうという内容でした。

ケアの視点からは、神河町に住むご年配の方々に、運営面などに積極的に参加してもらうことで、老若の交流が促進し、高齢者の生きがいにつながるとします。
ビジネスの視点からは、実施にかかる基本的な費用は参加留学生から徴収するプログラム参加料で賄うが、人件コストは基本的にボランティアスタッフに頼ることで抑えるとのこと。国際志向の若者にボランティアスタッフとして関わってもらうことで、若者の自己実現も同時に叶えることができるといいます。
さらにデザインの視点からは、このプログラムを通して、留学生の日本における「ふるさと」空間が創造できるとも述べられました。これは、テレビ番組「アナザースカイ」から着想を得たものとのことです。

このプロジェクトによって、留学生に神河町を訪れて良かったと思ってもらえれば、再訪の可能性も高まるし、海外へ直接神河町を売り込むための下地ができる。神河町住民にとっては、国際交流によって外の世界を知ることで、今までにない気付きがうまれ、地域の良さの再発見につながる。
こうした、海外に目を向けるという視点を提示したのはこのチームだけでした。大学生である自分たちの立場を上手く活かして、留学生を呼び込むという発想を具体化しており、大胆さと独創性を兼ね備えたアイディアでした。

2位チームのプレゼン
2位チームのプレゼン

2位チーム おめでとう!
2位チーム おめでとう!

1位 コミュニティ・トラベル・ガイド「神河人」

そして1位に選ばれたチームのプロジェクト案は、「神河人~神河に子供のにぎわいを!~」と題されたプロジェクト。
これは、神河町でコミュニティ・トラベル・ガイドをつくることで、町外の人に神河町の良さを伝えようとするものです。高齢化率の高い神河町では、地域に子どもがいたころのにぎわいを取り戻したいと考える人々が多く、それをどう実現できるのかという問題意識が動機となったとのこと。

神河町には、美しい自然や景色、きれいな空気、砥峰高原などの観光地はありますが、このチーム曰く、「そういったものは全国のあちこちにある」ため、従来のプロモーションの仕方では他地域に埋もれてしまう。そこで注目したのは、「神河町にしかなく、真似できないもの」。それは「人」であるといいます。
神河町で暮らす「人」に注目、とりわけ子どもとその親にフォーカスし、そこでの生き方・暮らし方を本で紹介するガイドをつくるのです。最近では、「海士人」、「福井人」、「三陸人」などのコミュニティ・トラベル・ガイドが存在するが、「神河人」は、山村留学の経験者、神河町で子育てをしている人、神河町に暮らす子ども、神河町の自然を満喫して生きている人、老後を神河町で過ごす人などを紹介するものであり、他とはコンセプトが異なるといいます。

ケアの視点からは、神河町の住民の方々にとっては、本に載ることで、生きがいが生まれます。また、子どもたちの声が広まることで、まちの人の元気を生むことができる。さらに本の制作過程にかかわってもらうことで、「自分たちにもまちのためにできることがあるのだ」と知ってもらえるといいます。
ビジネスの視点から、資源は本の売却益で賄いますが、売却益はさらに町の活動資金にも回せるといいます。本の作り手としては、学生、地域おこし協力隊、社会人ボランティアなどを想定しているとのこと。
さらにデザインの視点からは、コミュニティ・トラベル・ガイドの作成と普及によって、人を呼び込むことができるなど、新たな人の流れをつくることが可能になるといいます。

「子どもに目を向ける」という視点と、「コミュニティ・トラベル・ガイドづくり」という方法が柔軟にドッキングしたアイディアであり、具体性も高いものでした。
見学に来られた神河町の職員の方から「今すぐにでもやってください」との声もあがり、高い評価が得られました。


1位チームのプレゼン

1位チーム おめでとう!
1位チーム おめでとう!

実は今回の講義は、CPECの連携先である宮城大学と共同して実施しました。

同じ日に宮城大学でも同様のワークショップを実施し、宮城大学のフィールドワークである大崎市の活性化プロジェクトを考えていたのです。

そこで、遠隔技術を用いて、両大学の上位2チームのプロジェクト案を共有しました。
宮城大の学生のプロジェクトも、よく練られており具体性が高く、兵庫県立大の学生にとってたいへん良い刺激となったようでした。

全てのプレゼンテーションの終了後は、神河町さんおよび大崎市さんのご担当者様より、本日のワークショップとプロジェクト案についてコメントをいただきました。
神河町の方からは、すぐにでも実現してほしいプロジェクトもあった、今後も神河町と継続的に関わり、実践を積んでいって欲しいなど、激励のお言葉をいただきました。

そして、なんと最後に、サプライズゲストが・・・
神河町のゆるキャラ、カーミンがお見送りに来てくれたのです。
初めて見る生のカーミンはとても愛らしく、特に女子生徒や女性教職員は、一緒に写真を撮るなどしてはしゃいでいました。
カーミンありがとう!

そして、CP概論の一連の講義にあたっては、神河町の皆様に大変お世話になりました。心よりお礼申し上げます。
来年度以降も、どうぞよろしくお願いいたします!!

遠隔技術で宮城と交流
遠隔技術で宮城と交流

カーミンも来てくれました!
カーミンも来てくれました!